ワンちゃんから微量採血させていただき検査を行います
◎ミクロフィラリアの検出
採血した血液を直接顕微鏡で観察し、ミクロフィラリア(上のビデオ参照)を見つけます。このミクロフィラリアの出現には周期性(日中は体表の血管には出てこなく、夜間に移動する)があるためミクロフィラリア陰性でも感染を否定はできません。
◎抗原検査法
フィラリアのメスが出す分泌物を抗原とし、それを検出する検査。さまざまな検査キットが出ています。血液を滴下し、数分後に検査を判定します
結果判定
陽性:フィラリア感染(厳密にはメスの感染がある)
フィラリアが死亡していても、血中の抗原は16週は残存
また手術により完全に除去されても抗原は残ります
陰性:フィラリア症に感染していない
未成熟なフィラリアのみ感染⇒検査で検出する抗原を作れない
オスのみの感染
寄生数が少なく(1〜3匹以下の感染)⇒検出限界
上記のようにフィラリア症に感染していても検査結果が陰性と出てしまうオカルト感染がフィラリア症に見られるため注意が必要です
検査が陽性になるのに感染からかかる時間
◎抗原検査陽性・・・・・・・・・・約5か月
◎ミクロフィラリア検出・・・・・・約6.5か月
参考文献:AHS(American Heartworm Society)ガイドライン2002年度版
infovet 2004 jan vol.7 no.1 犬糸状虫症に関する最新知見
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