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フィラリアについて
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フィラリア症とは


犬糸状虫(Dirofilaria immitis)の成虫が主に右心系に寄生することによっておこる犬の疾患である

媒介動物: 
シナハマダラカ        コガタアカイエカ           トウゴウヤブカ
 

 参考HP:http://www.gaityu.jp/kansensyoslide.pdf

感染方法:


1、上記の蚊が感染してる犬の血液を吸血する。ミクロフィラリアを血液といっしょに吸引してしまう。

2、下の体内(腎臓のマルピーギ管)で発育、2度の脱皮でL3(感染子虫)となり、蚊の口吻部に移動する

3、再度の吸血時に感染幼虫は口吻の外に出、犬を吸血した際に口吻によって作られた皮膚の刺入孔から体内に侵入して感染する。

4、犬の体内に侵入したL3(感染子虫)は10日前後で脱皮をしてL4(体内移行幼虫となる)

5、L4(体内移行幼虫)は皮膚から、組織(皮下、筋肉、脂肪など)にに移行する

6、L4は2〜3か月でL5(未成熟虫)となり血管に侵入する

7、血流によって心臓の右心室・肺動脈に移行したL5(未成熟虫)は成熟し成虫となる(感染後4か月ぐらい)

8、感染後7〜8か月で成熟したメスはL1(ミクロフィラリア)を生み出す

フィラリアの寿命:平均5〜6年といわれている
体長:約30cm
 

フィラリア症のおもな症状

右心室、肺動脈の寄生による静脈系の循環不全に起因します
1、食欲減退、体重が徐々に減少してくる

2、疲れやすくなってきて、散歩などの運動を嫌がるようになる(運動不耐性の出現)

3、運動している時、興奮時などに咳が出るようになる(運動不耐性の顕著化)

4、毛づやが悪く、痩せてくる

5、喉の奥に物が詰まったような咳をする、ぜーぜーと咳もする

6、突然血尿(赤ワイン用の色)をする 可視粘膜にて貧血が顕著になる 静脈系の循環不全が顕著になると腹水がたまる

7、死亡する

結構難しい感じはしますけど蚊に刺されることによってうつる心臓に虫が寄生することによって起きる病気です

じゃあどうやってフィラリア症を検査して、予防するのでしょうか??

フィラリア症の検査方法

1、採血を行います 基本的には手の血管から少量採血させていただきます

2、検査
   A:ミクロフィラリア検査=採血した血液を顕微鏡で直接鏡検(直接目で探す)する方法

   B:抗原検査=
血液をエライザキットに滴下して5分間待ちます
              犬糸状虫(メス)が出す分泌物を抗原とし、その抗原をを検出するキットです
    
    このキットで陽性判定ということは 
     @検査対象犬が犬糸状虫の雌成虫に感染している
     A犬糸状虫成虫は既に死亡、または除去されても、循環抗原は16週目まで検出される可能性が
      あります

    このキットで陰性判定ということは
     @検査対象犬は犬糸状虫に感染していない
     A6か月齢以下の未成熟虫の犬糸状虫に感染している恐れ→抗体を作るほど成熟していないため
     B犬糸状虫の雄だけの単独感染→雌のみ抗原を作り出せる→雌を検出する検査   
     C雌の成虫が1〜3匹しか寄生していない時、結果が陰性となることがあります

    至適検査時期:感染後、血液中にミクロフィラリアが検出されるまで約6.5か月
              感染後、血液中に成虫抗原が検出されるまで約5か月
     
      感染してからミクロフィラリアが血液中に観察されるまでには約7か月かかります
      
      こんなワンちゃんには両方の検査をお勧めします
    @子犬ではないけど前年度フィラリア予防をしていない子
    A薬は飲んでいたけど最後までしっかり飲みきらなかった子(9月で終わってしまったり)

          その子らはしっかり検査をしてから薬を処方します

参考文献:AHS(American Heartworm Society)ガイドライン2002年度版
       infovet 2004 jan vol.7 no.1 犬糸状虫症に関する最新知見
       


つづきは「どうしたらいいのフィラリア予防編」にて